対ドルで年初来9%超上昇、マレーシア経済に追い風
クアラルンプール発 — 2025年、マレーシア・リンギットがアジア通貨の中で際立った強さを見せている。対米ドルで年初来9%以上上昇し、主要通貨に対しても幅広く値を上げた。通貨市場では「今年のアジア最高の通貨」との評価も出ている。

リンギットは2024年から続く上昇基調をさらに加速させ、12月19日時点で対ドル4.07台まで上昇。円に対しては10%超の上昇となり、ポンドやシンガポールドル、人民元に対しても堅調に推移した。一方でユーロに対しては約3%下落し、欧州通貨の底堅さが目立つ結果となった。
上昇の転機は「トランプ関税」ショック
リンギットの最初の大きな上昇局面は4月。米トランプ大統領による「リベレーション・デー関税」発表をきっかけにドル売りが加速し、新興国通貨へ資金が流入した。
MBSBリサーチは当時のレポートでは、
米国の通商政策を巡る不透明感が高まり、安全資産としてのドル需要が低下。その資金が代替通貨に流れた
と分析している。
ドルは10年ぶりの弱気局面へ
実際、2025年はドルにとって「最も厳しい年の一つ」となった。ドル指数(DXY)は年初から約9%下落。モルガン・スタンレーは「2010年から続いたドルの長期強気相場は2024年に終了した」と指摘する。
背景には:
- 巨額の米財政赤字拡大懸念
- 米国債務総額37兆ドル突破
- トランプ政権の大型歳出・減税政策
- FRB(米連邦準備制度)独立性への懸念
- 地政学リスクの高まり
など、“ドルの信認”に関わる問題が重なっている。
🇲🇾 なぜリンギットはここまで強いのか
ドル安だけでなく、マレーシア国内要因も通貨を支えている。
① 政治の安定回復
2018〜2022年に4人の首相交代という混乱を経験したマレーシアだが、現在は政局が安定。投資家心理の改善につながっている。
② 堅調な経済成長
2025年のGDP成長率は政府予測上限の4.8%近辺に達する見通し。内需の強さが評価されている。
③ 財政健全化と構造改革
歳出管理の強化や改革姿勢が評価され、海外投資家の信頼が回復。
④ 金利差の追い風
マレーシア中銀は政策金利(OPR)を2.75%で据え置く見通し。一方で米FRBは利下げ方向と見られ、金利差がリンギット有利に傾く可能性がある。
リンギットは「1ドル=4リンギット割れ」へ?
市場予想はやや慎重だ。ブルームバーグ調査では2026年末でも4.07前後がコンセンサス。
しかし、アミール・ハムザ財務副大臣は
「今後12か月でリンギットは4リンギットをわずかに下回る水準まで上昇する可能性がある」
と強気姿勢を示している。実現すれば心理的節目である「4の壁」突破となり、市場の注目度はさらに高まる。

実際に2026年1月23日現在には4.00へタッチして、さらに市場の注目度は高くなってきている。
2025年アジア最強通貨の位置づけ
2025年の対ドル上昇率(12月19日時点)

| 国 | 通貨 | 上昇率 |
|---|---|---|
| 🥇マレーシア | 🇲🇾 リンギット | +9.7% |
| 🥈タイ | 🇹🇭 タイバーツ | +8.3% |
| 🥉シンガポール | 🇸🇬 シンガポールドル | +5.6% |
| インド | 🇮🇳 インドルピー | -4.5% |
マレーシア・リンギットはアジア主要通貨の中でトップクラスのパフォーマンスとなった。
総括
2025年はリンギットにとって「復活の年」だった。
ドルの弱体化という外部要因に加え、政治安定と経済ファンダメンタルズ改善という国内要因が重なり、通貨はアジアの主役に躍り出た。
2026年、1ドル=4リンギットの攻防が次なる歴史的節目になるか、市場の視線はクアラルンプールに集まっている。
引用:RINGGIT: Ringgit turns Asian star performer in 2025

MYPRO CAPITAL SDN BHD 創業者&CEO(Since 2019)
日本人向けマレーシア不動産 “業界初”『仲介手数料0円』
不動産ライセンス所有: REN33302(政府発行)
[EdgeProp主催] マレーシア全土不動産エージェント約40,000人からElite賞34名の1人に選出 (2025年)
実績: 販売実績65件超、賃貸実績250件超、自身もマレーシア不動産所有&投資運用中、TBS・中京テレビにてV6とTV出演実績
経歴: マレーシア・クアラルンプール出身。学費全額免除でマラヤ大学卒 (マレーシアの東大) 卒業後、政府公認の特待生 (学費全額免除) として名古屋大学へ留学し卒業。日本で就職経験を経て、2014年よりマレーシア不動産業界に携わる。(現在11年目)






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